歯がないとどうなるの?
歯がないとどうなるの?
こんにちは! いろどり歯科です!!
歯は私たちが食べ物を噛んだり、言葉を発したりするために不可欠な器官です。歯が失われた場合、食事や発音に支障が出るだけでなく、全身の健康にもさまざまな影響を及ぼすことが知られています。特に高齢者においては、歯を失うことが栄養不足や身体機能の低下につながり、生活の質(QOL)に大きく影響することがあります。
「歯がないのは体に良くない」と言われる理由には、単に食事が取りにくくなるという問題だけではなく、さまざまな健康リスクが関連しているためです。本稿では、歯を失うことが体に与える影響、歯がない状態での健康リスク、そして失った歯を補う治療法について詳しく解説します。
1. 歯を失うことが体に与える影響
歯は、食べ物を噛み砕く役割を果たしており、消化の第一段階として重要です。歯がない、または一部の歯を失った状態では、食事の際に十分に食べ物を咀嚼することができなくなり、消化器官に負担をかけることがあります。
1.1 咀嚼機能の低下と消化への影響
歯がないことで最も顕著に表れる影響は、咀嚼機能の低下です。食べ物をしっかりと噛むことができないと、食べ物が細かくならず、胃や腸に大きな負担をかけます。消化器官は、食べ物をより細かく消化しなければならないため、消化不良や栄養の吸収が不十分になる可能性があります。
特に、硬い食べ物や繊維質の多い食べ物を避けるようになると、食事の質が偏りがちになり、栄養不足に陥るリスクが高まります。歯を失うことで、栄養バランスが乱れ、健康状態が悪化する恐れがあります。
1.2 栄養不足と全身の健康への影響
咀嚼機能が低下することで、食事内容が変わり、必要な栄養素を十分に摂取できなくなることが問題です。特に、高齢者においては、歯を失うことで硬い食べ物や噛む必要のある食べ物を避ける傾向が強くなります。これにより、カルシウムやビタミン、たんぱく質など、体の機能を維持するために必要な栄養素が不足しやすくなります。
栄養不足は、免疫力の低下や筋肉量の減少、さらには骨密度の低下を引き起こし、転倒や骨折のリスクが高まります。特に高齢者の場合、骨折や長期の入院が要介護状態につながることもあるため、歯を失うことによる栄養不足は深刻な問題です。
1.3 発音や社会生活への影響
歯がないことで、発音にも影響が出ることがあります。特に前歯を失った場合、「サ行」や「タ行」の発音が不明瞭になり、言葉が聞き取りにくくなることがあります。発音が不明瞭になると、他者とのコミュニケーションに支障をきたし、社会的な活動が制限される場合もあります。
このような影響は、特に高齢者において孤立感を増大させ、うつ病や認知機能の低下を引き起こすリスクがあります。社会とのつながりを保つためにも、歯を失わないようにすることが重要です。
2. 歯がないことによる健康リスク
歯を失ったまま放置すると、咀嚼機能の低下や栄養不足以外にも、さまざまな健康リスクが生じます。ここでは、歯がないことがもたらす具体的なリスクについて説明します。
2.1 顎の骨の萎縮
歯が抜けた後、その部分の顎の骨は刺激を受けなくなるため、次第に萎縮します。これを「骨吸収」と呼びます。歯を失った部分の骨が徐々に痩せ細り、最終的には顎の骨全体が小さくなる可能性があります。骨の萎縮が進むと、歯のない部分の補綴(義歯やインプラント)の適合が難しくなり、さらに咀嚼機能が低下することがあります。
また、顎の骨が萎縮すると、顔の輪郭が変わり、頬がこけたり、口元が老けて見えることがあります。これにより、見た目の問題も生じ、自信を失うことにもつながるでしょう。
2.2 歯列の乱れと噛み合わせの問題
歯がない状態を放置すると、隣の歯が失った部分に傾いて移動することがあります。これにより、歯列全体が乱れ、噛み合わせに問題が生じます。噛み合わせが悪くなると、食事の際に咀嚼がうまくできず、顎関節に負担がかかり、顎関節症などの問題を引き起こす可能性があります。
また、歯列の乱れは見た目にも影響を与えるため、審美的な問題も生じます。歯列が乱れることで笑顔に自信を持てなくなり、対人関係において消極的になることもあります。
2.3 誤嚥性肺炎のリスク
特に高齢者においては、歯がないことで誤嚥性肺炎のリスクが高まることが指摘されています。誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が気管に入り込むことで引き起こされる肺炎で、口腔内の細菌が原因となることが多いです。歯がないことでしっかりと食べ物を咀嚼できないと、誤嚥しやすくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因の一つであり、特に寝たきりの高齢者においては発症リスクが高まります。口腔内を清潔に保ち、しっかりと咀嚼することが誤嚥性肺炎の予防につながります。
3. 歯を失った際の治療法
歯を失った際には、早期に適切な治療を受けることで、これらの健康リスクを軽減することができます。歯を補うための治療法としては、以下のようなものがあります。
3.1 義歯
義歯(入れ歯)は、歯を失った部分を補う最も一般的な治療法です。部分入れ歯と総入れ歯の2種類があり、患者の状態に応じて適切なものが選ばれます。義歯は比較的安価で、手術の必要がないため、多くの患者に適した治療法です。
ただし、義歯は定期的に調整が必要であり、長期間使用するうちに顎の骨が萎縮し、適合が悪くなることがあります。そのため、定期的な歯科受診とメンテナンスが重要です。
3.2 ブリッジ
ブリッジは、失った歯の両側の健康な歯を削って支えにし、その上に人工の歯を固定する治療法です。ブリッジは固定式であるため、義歯よりも自然な感覚で使用でき、見た目も良好です。
ただし、支えにする健康な歯を削る必要があるため、将来的にその歯が弱くなる可能性がある点に注意が必要です。また、支えの歯に負担がかかるため、定期的なチェックが必要です。
3.3 インプラント
インプラントは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療法です。インプラントは非常に安定しており、自然な歯とほとんど変わらない感覚で使用することができます。また、隣の歯を削る必要がないため、周囲の歯に影響を与えない点がメリットです。
ただし、インプラントは手術が必要であり、顎の骨が十分に残っていない場合は手術が難しい場合があります。また、インプラントの費用は比較的高額であり、治療期間も長くかかる点を考慮する必要があります。
まとめ
歯を失うことは、食事や発音だけでなく、全身の健康にさまざまな悪影響を及ぼします。咀嚼機能の低下や栄養不足、誤嚥性肺炎のリスク、さらに社会生活への影響など、多くの問題が関連しており、早期の治療が重要です。
歯を失った際には、義歯やブリッジ、インプラントなどの治療法を活用し、適切なケアを行うことで、これらのリスクを軽減することが可能です。定期的な歯科検診を受けることも、歯を失わないための予防策として非常に重要です。歯の健康を保つことは、全身の健康を守るためにも欠かせない要素であり、日常のケアとともに、歯を大切にすることが大切です。
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