歯の詰め物が取れたときの応急処置

歯の詰め物が取れたときの応急処置

はじめに

食事中に突然、口の中で硬いものが当たった感覚があり、吐き出してみると歯の詰め物だった。こうした経験をお持ちの方は少なくないでしょう。歯の詰め物が取れることは、珍しいことではありません。長年使用していた詰め物の劣化、詰め物の下で虫歯が進行していた、硬いものを噛んだ衝撃など、さまざまな理由で起こります。詰め物が取れた場合、できるだけ早く歯科医院を受診することが最善ですが、すぐに行けない状況もあるでしょう。この記事では、歯の詰め物が取れたときの適切な応急処置と、してはいけないこと、そして歯科医院を受診するまでの注意点について詳しく解説していきます。正しい知識を持つことで、詰め物が取れたときでも慌てずに対処でき、歯へのダメージを最小限に抑えることができます。

詰め物が取れる原因

経年劣化

詰め物には寿命があります。一般的に、金属の詰め物は5年から7年、コンポジットレジン(白い詰め物)は3年から5年程度で劣化が始まることが多いです。使用年数が長くなると、詰め物と歯の境目に隙間ができたり、接着力が弱まったりして、取れやすくなります。定期的な歯科検診で詰め物の状態をチェックし、必要に応じて交換することが予防につながります。

二次的な虫歯

詰め物の下で虫歯が進行することを二次カリエスといいます。詰め物と歯の隙間から細菌が侵入し、内部で虫歯が広がると、歯質が弱くなり詰め物が取れやすくなります。痛みがないまま進行することも多く、詰め物が取れて初めて虫歯の存在に気づくケースも少なくありません。

強い力による脱落

硬い食べ物を噛んだ衝撃、歯ぎしりや食いしばりによる過度な力、事故や転倒による外力などで、詰め物が外れることがあります。特に歯ぎしりの癖がある方は、睡眠中に強い力が継続的にかかるため、詰め物が取れやすい傾向があります。

詰め物が取れたときの最初の対応

取れた詰め物を保管する

詰め物が取れたら、まず安全な場所に保管しましょう。小さな容器やティッシュに包んで保存します。状態によっては、取れた詰め物をそのまま再装着できる場合もあります。捨てずに歯科医院に持参してください。ただし、汚れている場合でも、自分で洗ったり磨いたりする必要はありません。そのままの状態で保管しましょう。

口の中を確認する

鏡で詰め物が取れた部分を確認します。穴が開いている、歯が欠けている、出血しているなどの状態をチェックしましょう。痛みの有無も確認します。ただし、舌や指で何度も触るのは避けてください。細菌感染のリスクが高まります。

うがいをする

口の中をきれいにするため、水かぬるま湯で優しくうがいをします。詰め物が取れた部分に食べかすが詰まっている可能性がありますが、強くすすぐ必要はありません。軽く2回から3回程度うがいをすれば十分です。刺激の強いうがい薬は避け、水で行いましょう。

応急処置の方法

痛みがある場合

詰め物が取れた直後は、冷たいものや熱いものがしみることがあります。痛みがある場合は、市販の痛み止め(解熱鎮痛剤)を服用しても構いません。ただし、用法用量を守り、空腹時の服用は避けてください。また、痛む部分を冷やすことで、一時的に痛みを和らげることができます。保冷剤をタオルで包んで、頬の外側から当てましょう。

歯科用ワックスの使用

薬局やドラッグストアで販売されている歯科用ワックスを、詰め物が取れた穴に詰めることで、一時的に保護できます。これは仮の処置であり、根本的な解決にはなりませんが、食べかすが詰まるのを防いだり、しみる症状を軽減したりする効果があります。使用前に手をよく洗い、清潔な状態で扱いましょう。

市販の仮止め材

薬局には、歯の詰め物の仮止め用セメントも販売されています。これを使用する場合は、説明書をよく読み、正しく使用してください。ただし、あくまで一時的な措置であり、長期間使用することは避けましょう。また、詰め物が取れた穴を完全に塞ぐ必要はありません。むしろ、詰めすぎると歯科医師の診察の妨げになることがあります。

歯磨きの注意

詰め物が取れた部分も含めて、歯磨きは続ける必要があります。ただし、詰め物が取れた歯は非常に優しく磨きましょう。柔らかい歯ブラシを使用し、力を入れすぎないよう注意してください。歯磨き粉は、刺激の少ないものを選ぶとよいでしょう。食後は特に、詰め物が取れた部分に食べかすが詰まりやすいため、丁寧にケアしてください。

してはいけないこと

取れた詰め物を自分で戻す

取れた詰め物を、自分で元の位置に戻そうとしてはいけません。正確な位置に戻せないだけでなく、誤って飲み込んでしまったり、詰め物の下の歯質を傷つけたりする危険があります。また、接着剤や瞬間接着剤で固定しようとするのも絶対に避けてください。これらは口腔内での使用を想定しておらず、有害です。

詰め物が取れた側で硬いものを噛む

詰め物が取れた歯で硬いものを噛むと、歯が欠けたり割れたりする危険があります。特に神経を取った歯は脆くなっているため、注意が必要です。食事の際は、詰め物が取れていない側で噛むようにしましょう。どうしても両側で噛む必要がある場合は、柔らかい食べ物を選んでください。

爪楊枝や針で穴をほじる

詰め物が取れた穴に食べかすが詰まると気になりますが、爪楊枝や針、綿棒などで無理にほじくり出そうとしてはいけません。歯の内部を傷つけたり、感染を引き起こしたりするリスクがあります。詰まった食べかすは、うがいや優しい歯磨きで対処しましょう。どうしても気になる場合は、歯科医院で取り除いてもらってください。

放置する

詰め物が取れても痛みがないからといって、放置するのは危険です。詰め物が取れた部分は、虫歯菌に対して無防備な状態です。時間が経つほど虫歯が進行し、最終的には神経まで達して激しい痛みを引き起こすことがあります。また、詰め物が取れた歯で噛み続けると、歯が欠けたり割れたりするリスクも高まります。できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。

歯科受診までの食事の注意点

柔らかい食べ物を選ぶ

詰め物が取れた側では噛まないようにするため、柔らかい食べ物を選びましょう。おかゆ、うどん、豆腐、煮物、スープ、ヨーグルトなど、あまり噛まずに食べられるものが適しています。硬いせんべい、ナッツ、フランスパン、硬い肉などは避けてください。

温度に注意する

詰め物が取れると、象牙質が露出してしみやすくなります。熱すぎるものや冷たすぎるものは避け、人肌程度の温度のものを選びましょう。アイスクリームや熱々のスープは、しみる原因になります。

粘着性のある食べ物を避ける

キャラメル、ガム、餅など、粘着性の強い食べ物は、詰め物が取れた穴に詰まりやすく、除去も困難です。また、仮の詰め物をしている場合、それが取れてしまう可能性もあります。歯科医院を受診するまでは、こうした食品は避けましょう。

食後のケア

食事の後は、必ず口をすすぎ、詰め物が取れた部分に食べかすが残らないようにしましょう。可能であれば、優しく歯を磨くことが理想的です。外出先で歯磨きができない場合は、最低でも水で口をすすいでください。

歯科医院での治療内容

診察と検査

歯科医院では、まず詰め物が取れた原因を調べます。レントゲン撮影を行い、歯の内部や根の状態を確認します。二次的な虫歯がある場合、どの程度進行しているかを評価します。これらの検査結果に基づいて、最適な治療方法が決定されます。

治療の選択肢

詰め物が取れただけで、歯の状態が良好であれば、新しい詰め物を入れるだけで済みます。虫歯が進行している場合は、虫歯を削ってから新しい詰め物をします。虫歯が深く神経まで達している場合は、根管治療が必要になることもあります。歯が大きく欠けている場合は、詰め物ではなく被せ物(クラウン)が必要になることもあります。

仮の詰め物

当日すぐに本格的な治療ができない場合や、型取りが必要な治療の場合は、まず仮の詰め物をします。これにより、歯を保護し、しみる症状を軽減できます。仮の詰め物は外れやすいため、硬いものを噛んだり、粘着性のある食べ物を食べたりしないよう注意が必要です。

予防のために

定期検診の重要性

詰め物が突然取れることを防ぐには、定期的な歯科検診が重要です。3ヶ月から6ヶ月に一度受診し、詰め物の状態をチェックしてもらいましょう。劣化の兆候があれば、取れる前に交換できます。また、詰め物の下で虫歯が進行していないかも確認できます。

日常のケア

毎日の丁寧な歯磨きとデンタルフロスの使用により、詰め物の周囲を清潔に保ちましょう。詰め物と歯の境目は、特に汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい部分です。また、歯ぎしりの癖がある方は、マウスピースの使用を検討してください。

硬いものへの注意

氷を噛む、硬いナッツを奥歯で砕く、ペンや爪を噛むなどの習慣は、詰め物が取れる原因になります。また、歯を栓抜きやハサミ代わりに使うことも避けましょう。

まとめ

歯の詰め物が取れたときは、まず取れた詰め物を保管し、口の中を確認してうがいをしましょう。痛みがある場合は市販の痛み止めを服用し、歯科用ワックスや仮止め材で一時的に保護することもできます。ただし、これらはあくまで応急処置です。

絶対にしてはいけないのは、自分で詰め物を戻す、接着剤で固定する、爪楊枝で穴をほじる、詰め物が取れた側で硬いものを噛む、そして放置することです。食事は柔らかく温度の適度なものを選び、詰め物が取れていない側で噛みましょう。

詰め物が取れた場合、できるだけ早く歯科医院を受診することが最も重要です。放置すると虫歯が進行し、より複雑で費用のかかる治療が必要になる可能性があります。定期検診と日常のケアにより、詰め物が取れるリスクを減らすことができます。

 

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