乳歯が抜ける時期と注意点:子どもの生え変わりを正しくサポートする
乳歯が抜ける時期と注意点:子どもの生え変わりを正しくサポートする
乳歯が抜ける時期と注意点:子どもの生え変わりを正しくサポートする

はじめに
子どもの乳歯が抜け始めると、成長を実感する嬉しい瞬間ですが、同時に様々な疑問や不安も生まれます。「この時期に抜けるのは正常なのか」「なかなか抜けないけれど大丈夫か」「抜けた後のケアはどうすればいいのか」など、初めての経験に戸惑う保護者の方も多いでしょう。乳歯から永久歯への生え変わりは、子どもの成長における重要な過程です。この時期の適切なケアと対応により、永久歯の健康な発育を促すことができます。逆に、誤った対応をすると、永久歯の歯並びに影響が出たり、感染のリスクが高まったりすることもあります。この記事では、乳歯が抜ける標準的な時期、生え変わりの順序、注意すべきポイント、トラブルへの対処法、そして保護者ができるサポートについて詳しく解説します。子どもの健やかな成長を支えるための知識を身につけましょう。
乳歯について
人間の歯は、一生のうちに二回生え変わります。最初に生えるのが乳歯で、全部で20本あります。生後6ヶ月頃から生え始め、2歳半から3歳頃までに生え揃います。
乳歯の役割は、食べ物を噛む、正しい発音を助ける、顔の形を整える、そして永久歯が生えるスペースを確保することです。乳歯は永久歯よりも小さく、エナメル質も薄いため、虫歯になりやすい特徴があります。
乳歯が抜け始める時期
一般的に、乳歯は6歳頃から抜け始めます。最初に抜けるのは、下の前歯(下顎中切歯)であることが多いです。その後、順次抜けていき、12歳から13歳頃までにすべての乳歯が永久歯に生え変わります。
ただし、これはあくまで標準的な目安であり、個人差が大きいことを理解しておきましょう。早い子では5歳頃から、遅い子では7歳を過ぎてから抜け始めることもあります。数ヶ月から1年程度の差は、正常範囲内です。
乳歯が抜ける順序
一般的な生え変わりの順序は以下の通りです。
6歳から8歳頃
下の前歯(下顎中切歯)、上の前歯(上顎中切歯)、下の前歯の隣の歯(下顎側切歯)、上の前歯の隣の歯(上顎側切歯)の順に抜けることが多いです。
同時に、6歳臼歯と呼ばれる第一大臼歯が、乳歯の奥に新たに生えてきます。これは乳歯が抜けて生え変わるのではなく、新たに追加される永久歯です。
9歳から11歳頃
下の犬歯と第一小臼歯、上の第一小臼歯、上の犬歯、下の第二小臼歯、上の第二小臼歯の順に生え変わることが多いです。
12歳から13歳頃
最後に、第二大臼歯が乳歯の奥に新たに生えてきます。
親知らず(第三大臼歯)は、17歳から25歳頃に生えることがありますが、生えない人も多くいます。
この順序には個人差があり、必ずしもこの通りになるわけではありません。左右対称に抜けることが多いですが、多少のずれは問題ありません。
乳歯が抜ける仕組み
乳歯の下では、永久歯が成長しています。永久歯が上に向かって成長すると、乳歯の根を徐々に溶かしていきます。これを歯根吸収と呼びます。根が短くなると、乳歯はグラグラし始め、最終的には自然に抜け落ちます。
乳歯が抜ける時の注意点
無理に抜かない
乳歯がグラグラしていても、無理に抜こうとしてはいけません。まだ根が残っている状態で無理に抜くと、痛みや出血が多くなり、感染のリスクも高まります。自然に抜けるのを待ちましょう。
ただし、かなりグラグラして今にも取れそうな状態で、子どもが不快に感じている場合は、清潔なガーゼで歯をつかんで優しく引っ張ることはできます。少しでも抵抗がある場合は、無理をせず待ちましょう。
清潔に保つ
乳歯がグラグラしている間は、その部分の歯磨きを痛がることがあります。しかし、清潔に保たないと、歯茎が腫れたり感染したりする可能性があります。柔らかい歯ブラシで、優しく磨くように心がけましょう。
抜けた後のケア
乳歯が抜けた後は、清潔なガーゼを丸めて傷口に当て、10分から15分程度噛ませて圧迫止血します。通常は数分で出血が止まります。
出血が止まった後も、当日は激しい運動や入浴を避け、安静にしましょう。傷口を舌で触ったり、指で触ったりしないように注意します。
食事は、傷口に刺激を与えない柔らかいものを選びます。熱いもの、辛いもの、硬いものは避けましょう。
うがいは控えめに
抜けた後、強くうがいをすると、傷口にできた血餅(かさぶたのようなもの)が取れてしまい、治りが遅くなります。軽く口をすすぐ程度にしましょう。
こんな時は歯科医院へ
以下のような場合は、歯科医院を受診しましょう。
出血が止まらない
15分以上圧迫しても出血が止まらない場合は、受診が必要です。
腫れや痛みがひどい
抜けた後、歯茎が大きく腫れたり、強い痛みが続いたりする場合は、感染している可能性があります。
乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない
乳歯が抜けて6ヶ月以上経っても永久歯が生えてこない場合は、永久歯の先天欠如や位置異常の可能性があります。
永久歯が乳歯の後ろから生えてきた
乳歯がまだ抜けていないのに、その後ろや内側から永久歯が生えてくることがあります。特に下の前歯でよく見られます。乳歯がグラグラしていれば、自然に抜けることを待っても良いですが、なかなか抜けない場合は、歯科医院で抜歯してもらう必要があります。
乳歯がなかなか抜けない
周囲の歯は抜けたのに、特定の歯だけが抜けずに残っている場合は、永久歯がないか、位置がずれている可能性があります。
乳歯が早く抜けすぎた
虫歯や外傷により、本来抜けるべき時期よりもかなり早く乳歯が抜けた場合、永久歯が生えるスペースが狭くなることがあります。
歯並びが心配
永久歯が生えてきたが、向きがおかしい、隙間が多い、重なっているなどの場合は、相談しましょう。
生え変わり時期の口腔ケア
仕上げ磨きの継続
小学校低学年のうちは、まだ自分で十分に磨けません。毎晩、保護者による仕上げ磨きを続けましょう。
歯ブラシの選び方
生え変わり期は、乳歯と永久歯が混在し、歯の高さがバラバラで磨きにくい状態です。ヘッドが小さく、毛が柔らかい歯ブラシを選びましょう。
6歳臼歯を特に注意
6歳臼歯は、最も奥に生えるため磨きにくく、虫歯になりやすい歯です。生え始めは歯茎に覆われていることもあり、特に注意が必要です。歯ブラシを横から入れて、丁寧に磨きましょう。
フッ素の活用
生えたばかりの永久歯は未成熟で虫歯になりやすい状態です。フッ素入り歯磨き粉の使用や、歯科医院でのフッ素塗布により、虫歯を予防しましょう。
定期検診
生え変わり期は、3ヶ月から6ヶ月に1回の定期検診を受けることをおすすめします。生え変わりの状態、虫歯の有無、歯並びなどをチェックしてもらえます。
よくある疑問
抜けた乳歯はどうする?
日本では、上の歯は縁の下に、下の歯は屋根の上に投げる風習があります。最近では、記念にケースに入れて保管する方も増えています。衛生的に保管したい場合は、専用の保存ケースが市販されています。
乳歯が抜ける前に永久歯が見える
これは比較的よくあることです。特に下の前歯で、乳歯の後ろから永久歯が生えてくることがあります。乳歯がグラグラしていれば、通常は自然に抜けます。
生え変わりに痛みはある?
通常、乳歯が抜ける時の痛みは軽微です。ただし、グラグラしている状態で食べ物を噛んだりすると、不快感があることもあります。
永久歯が黄色く見える
永久歯は乳歯よりも象牙質の層が厚いため、少し黄色がかって見えます。これは正常です。
子どもの不安を和らげる
乳歯が抜けることを怖がる子どももいます。「抜けた後は、大人の強い歯が生えてくるよ」と前向きに伝えましょう。絵本などを使って、生え変わりについて楽しく学ぶのも良い方法です。
抜けた後は、「よく頑張ったね」と褒めてあげましょう。ちょっとしたご褒美を用意するのも、子どもの励みになります。
まとめ
乳歯は一般的に6歳頃から抜け始め、12歳から13歳頃までに永久歯に生え変わります。下の前歯から始まり、順次生え変わっていきますが、個人差が大きいことを理解しましょう。グラグラしていても無理に抜かず、自然に抜けるのを待ちます。抜けた後は清潔なガーゼで圧迫止血し、傷口を清潔に保ちます。出血が止まらない、痛みや腫れがひどい、永久歯が乳歯の後ろから生えてきた、なかなか抜けないなどの場合は、歯科医院を受診しましょう。生え変わり期は仕上げ磨きを続け、特に6歳臼歯を丁寧に磨きます。定期検診を受けることも重要です。正しい知識と適切なケアで、子どもの健やかな成長をサポートしましょう。
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