銀歯と白い歯、どちらを選ぶ?

銀歯と白い歯、どちらを選ぶ?

銀歯と白い歯、どちらを選ぶ?

虫歯治療で詰め物や被せ物が必要になったとき、多くの人が直面するのが「銀歯にするか、白い歯にするか」という選択です。それぞれにメリットとデメリットがあり、費用や見た目、耐久性など、考慮すべき点は多岐にわたります。この記事では、銀歯と白い歯の特徴を詳しく比較し、自分に合った選択をするための情報を提供します。

銀歯の特徴

銀歯とは

銀歯は、正式には「金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属を使用した詰め物や被せ物です。日本の保険診療で広く使用されており、長年にわたって多くの人の虫歯治療に用いられてきました。銀色に見えることから「銀歯」と呼ばれていますが、実際には金、銀、パラジウム、銅などの複数の金属を組み合わせた合金です。

銀歯のメリット

銀歯の最大のメリットは、保険が適用されるため費用が安いことです。治療費の負担が軽く、経済的な理由から銀歯を選ぶ人は少なくありません。3割負担の場合、詰め物で数千円程度、被せ物でも1万円前後で治療を受けることができます。

強度が高いことも銀歯の大きな利点です。金属は非常に硬く、噛む力の強い奥歯にも十分耐えられます。特に大臼歯など、強い咀嚼力がかかる部位では、銀歯の強度は信頼性があります。割れたり欠けたりするリスクが比較的低く、長期間使用できる可能性が高いです。

また、適合性が良いことも特徴です。金属は熱を加えることで精密に加工できるため、歯との隙間を最小限に抑えることができます。これにより、二次的な虫歯のリスクを減らすことができます。

銀歯のデメリット

銀歯の最も大きなデメリットは、見た目が目立つことです。口を開けたときに銀色が見えると、審美的に気になる人が多いでしょう。特に笑ったときや会話中に見えやすい位置にある場合、コンプレックスになることもあります。近年は審美意識の高まりから、銀歯を避ける傾向が強まっています。

金属アレルギーのリスクも無視できません。銀歯に含まれる金属イオンが唾液に溶け出し、体内に蓄積することで、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。症状としては、口内炎、舌の痛み、皮膚の湿疹、かぶれなどが現れることがあります。既に金属アレルギーがある人はもちろん、将来的に発症する可能性も考慮する必要があります。

歯茎の変色も問題となることがあります。金属イオンが歯茎に沈着すると、歯茎が黒ずんで見えるメタルタトゥーと呼ばれる現象が起こります。一度変色すると元に戻すのは困難で、審美的な問題となります。

さらに、銀歯は熱伝導性が高いため、冷たいものや熱いものを食べたときに、歯がしみることがあります。また、経年劣化によって金属が溶け出したり、腐食したりすることもあります。

白い歯の特徴

白い歯の種類

白い歯には、いくつかの種類があります。代表的なものとして、コンポジットレジン、ハイブリッドセラミック、セラミック、ジルコニアなどがあります。それぞれ材質や特性が異なり、治療する部位や範囲、予算によって選択肢が変わります。

コンポジットレジンは、プラスチックとセラミックを混ぜた材料で、小さな虫歯の治療に使われます。保険適用の場合もあり、比較的安価です。ハイブリッドセラミックは、レジンとセラミックを混合した材料で、中程度の強度と審美性を持ちます。

セラミックは陶器と同じ材料で作られ、天然歯に近い透明感と色調を再現できます。耐久性も高く、変色しにくいのが特徴です。ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれる非常に硬い材料で、強度と審美性を兼ね備えています。

白い歯のメリット

白い歯の最大のメリットは、見た目が自然で美しいことです。天然歯に近い色や透明感を再現できるため、口を開けても治療痕が目立ちません。特にセラミックやジルコニアは、周囲の歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりになります。人前で話す機会が多い職業の人や、審美性を重視する人には大きな利点です。

金属アレルギーの心配がないことも重要なポイントです。セラミックやジルコニアは金属を一切使用しないため、金属アレルギーのある人でも安心して使用できます。また、金属イオンの溶出がないため、歯茎の変色も起こりません。

生体親和性が高く、歯茎との相性が良いことも特徴です。セラミックは表面が滑らかで汚れが付きにくく、プラークが付着しにくい性質があります。これにより、歯茎の炎症や二次的な虫歯のリスクを減らすことができます。

変色しにくいことも大きなメリットです。コーヒーや紅茶、ワインなどの着色性の強い飲食物を摂取しても、セラミックは変色しません。長期間にわたって美しい白さを維持できます。

白い歯のデメリット

白い歯の最大のデメリットは、費用が高いことです。セラミックやジルコニアは基本的に保険適用外の自費診療となり、1本あたり数万円から十数万円かかることが一般的です。複数の歯を治療する場合、費用負担は相当大きくなります。ただし、条件によっては保険適用で白い歯にできるケースもあるため、歯科医師に確認することが重要です。

材質によっては強度に不安があることも考慮すべき点です。特にレジン系の材料は、金属に比べて強度が劣り、欠けたり割れたりするリスクがあります。噛む力が強い人や、歯ぎしりの癖がある人は注意が必要です。セラミックも硬すぎるゆえに、強い衝撃を受けると割れることがあります。

治療に時間がかかることもデメリットの一つです。特にセラミックやジルコニアの場合、型取りをして技工所で製作するため、完成までに数週間かかることがあります。その間、仮の詰め物で過ごす必要があります。

また、対合歯を傷つける可能性も指摘されています。セラミックやジルコニアは非常に硬いため、噛み合わせる相手の歯を摩耗させてしまうことがあります。適切な調整が必要です。

どちらを選ぶべきか

判断のポイント

銀歯と白い歯のどちらを選ぶかは、いくつかの要素を総合的に判断する必要があります。

まず、治療する歯の位置を考慮しましょう。奥歯で目立たない位置であれば、強度や費用の面から銀歯を選ぶのも合理的な選択です。一方、前歯や笑ったときに見える位置であれば、審美性を重視して白い歯を選ぶ人が多いでしょう。

予算も重要な判断基準です。経済的な負担を最小限に抑えたい場合は、保険適用の銀歯やコンポジットレジンが適しています。一方、多少費用がかかっても見た目や健康面を優先したい場合は、セラミックやジルコニアを検討する価値があります。

金属アレルギーの有無も判断材料となります。既に金属アレルギーがある人や、その可能性が心配な人は、白い歯を選ぶべきでしょう。

噛む力や歯ぎしりの有無も考慮が必要です。強い咀嚼力がかかる部位や、歯ぎしりの癖がある人は、強度の高い材料を選ぶことが重要です。この場合、銀歯やジルコニアが適しているかもしれません。

部分的な組み合わせも選択肢

すべての治療を同じ材料で行う必要はありません。目立つ前歯や小臼歯は白い歯にして、奥の大臼歯は銀歯にするなど、部位によって使い分けるのも賢い選択です。これにより、審美性と費用のバランスを取ることができます。

また、最近は保険診療でも白い歯にできる範囲が拡大しています。CAD/CAM冠と呼ばれるハイブリッドレジンの被せ物は、条件を満たせば保険適用で作製できます。適用条件は更新されることがあるため、最新の情報を歯科医師に確認しましょう。

まとめ

銀歯と白い歯、それぞれに一長一短があり、絶対的な正解はありません。自分のライフスタイル、価値観、予算、健康状態などを総合的に考慮して、最適な選択をすることが大切です。

迷ったときは、信頼できる歯科医師に相談し、それぞれの材料の詳しい説明を受けることをお勧めします。治療後の長期的な満足度を高めるためには、十分な情報収集と慎重な判断が必要です。自分の歯を大切にし、後悔のない選択をしましょう。

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