学校検診で指摘されたらどうする?

学校検診で指摘されたらどうする?

学校検診で指摘されたらどうする?

はじめに

学校で行われる定期健康診断。子どもたちの健康状態を確認する大切な機会ですが、「要受診」や「要精密検査」といった指摘を受けると、保護者としては不安になるものです。しかし、これは早期発見・早期治療のチャンスとも言えます。この記事では、学校検診でよくある指摘事項とその対応方法について解説します。指摘を受けた際の適切な対応を知り、お子さんの健康を守りましょう。

学校検診の基本

学校検診の目的と種類

学校検診は学校保健安全法に基づいて実施される健康診断です。主な目的は、児童・生徒の健康状態を定期的に確認し、疾病や異常を早期に発見することにあります。一般的な学校検診には以下のような項目があります:

  • 身長・体重測定
  • 視力・聴力検査
  • 内科検診(心臓、肺、腹部など)
  • 歯科検診
  • 脊柱・胸郭検診
  • 尿検査
  • 心電図検査(主に小学1年生と中学1年生)
  • 結核検診(問診と必要に応じてレントゲン)

検診結果の通知方法

検診結果は通常、「健康診断結果のお知らせ」などとして保護者に書面で通知されます。結果には「異常なし」「要観察」「要受診」などの判定が記載されていることが一般的です。「要受診」と指摘された場合は、できるだけ早く医療機関を受診することが推奨されます。

主な指摘事項と対応方法

視力低下

指摘の意味

視力検査で基準(1.0未満など)を下回った場合に指摘されます。近視や遠視、乱視などの可能性があります。

対応方法

  1. 眼科を受診する:専門的な検査を受け、必要であれば眼鏡やコンタクトレンズを処方してもらいましょう。
  2. 定期的な経過観察:視力低下が進行していないか定期的にチェックすることが大切です。
  3. 生活習慣の見直し:長時間のスマートフォンやゲーム、テレビの視聴など、目に負担をかける習慣を見直しましょう。
  4. 学校での配慮:必要に応じて、教室内での席の位置を前方にしてもらうなど、学校側への相談も検討しましょう。

虫歯・歯周病

指摘の意味

歯科検診で虫歯や歯肉炎、歯列不正などが見つかった場合に指摘されます。

対応方法

  1. 歯科医院を受診する:学校からの指摘を持参し、適切な治療を受けましょう。
  2. 歯磨き指導を受ける:正しい歯磨き方法を習得し、日常的なケアを改善しましょう。
  3. 定期的な歯科検診:治療後も3〜6ヶ月ごとに定期検診を受けることをお勧めします。
  4. 食生活の見直し:間食の頻度や甘いものの摂取量など、虫歯のリスクとなる食習慣を見直しましょう。

心臓の異常

指摘の意味

心電図検査や聴診で不整脈や心雑音などが見つかった場合に指摘されます。多くは機能的雑音など心配のないものですが、先天性心疾患や後天性心疾患の可能性もあります。

対応方法

  1. 小児科または小児循環器科を受診する:専門医による精密検査(心エコー検査など)を受けましょう。
  2. 定期的なフォローアップ:異常が見つかった場合でも、多くは経過観察のみで問題ないことが多いですが、医師の指示に従い定期的に検査を受けましょう。
  3. 運動制限の有無を確認する:診断結果によっては、運動の制限が必要になる場合があります。医師と相談し、学校に適切な情報を提供しましょう。

尿検査の異常

指摘の意味

尿検査で蛋白や糖、潜血などが検出された場合に指摘されます。腎臓や尿路の疾患、糖尿病などの可能性があります。

対応方法

  1. 再検査を受ける:一時的な要因(運動後や食事内容など)で異常値が出ることもあるため、まずは再検査を受けることが一般的です。
  2. 小児科または腎臓内科を受診する:再検査でも異常がある場合は、専門医の診察を受けましょう。
  3. 経過観察:軽度の異常であれば、食事や生活習慣の改善と定期的な検査で経過を見ることもあります。

脊柱側弯症

指摘の意味

背骨が横方向に曲がっている状態で、特に成長期に発見されることが多い疾患です。

対応方法

  1. 整形外科を受診する:専門医によるレントゲン検査で側弯の程度を確認しましょう。
  2. 定期的な経過観察:軽度の場合は3〜6ヶ月ごとの経過観察となることが多いです。
  3. 治療法の検討:程度によって、経過観察、装具療法、手術療法などが選択されます。
  4. 姿勢の改善:日常的な姿勢の改善や適切な運動も重要です。

肥満・やせ

指摘の意味

身長と体重から算出されるBMIや肥満度が標準から大きく外れている場合に指摘されます。

対応方法

  1. 小児科または栄養相談を受ける:成長に応じた適切な体重管理について相談しましょう。
  2. 食生活の見直し:バランスの良い食事と適切な食事量を心がけましょう。
  3. 運動習慣の確立:定期的な運動を取り入れ、体力づくりを行いましょう。
  4. 無理なダイエットを避ける:特に成長期の子どもは、極端な食事制限は避け、成長に必要な栄養素をしっかりと摂取することが大切です。

貧血

指摘の意味

ヘモグロビン値が基準値を下回った場合に指摘されます。鉄欠乏性貧血が最も一般的です。

対応方法

  1. 小児科を受診する:血液検査で貧血の種類と程度を確認しましょう。
  2. 鉄分を多く含む食品の摂取:レバー、赤身肉、ほうれん草、小松菜などを積極的に摂取しましょう。
  3. 必要に応じて鉄剤の服用:医師の指示に従い、鉄剤を服用することもあります。
  4. 定期的な検査:改善状況を確認するために定期的な検査を受けましょう。

聴力低下

指摘の意味

聴力検査で基準値を下回った場合に指摘されます。耳垢の詰まり、中耳炎、感音性難聴などの可能性があります。

対応方法

  1. 耳鼻科を受診する:原因を特定するための精密検査を受けましょう。
  2. 適切な治療:原因に応じた治療を受けましょう。耳垢の除去や中耳炎の治療などが行われます。
  3. 必要に応じて補聴器の検討:永続的な聴力低下がある場合は、補聴器などの支援機器についても相談しましょう。
  4. 学校への情報共有:聴力低下がある場合は、先生にも伝え、授業での配慮を依頼しましょう。

医療機関受診時のポイント

受診する医療機関の選び方

  1. 専門性に合わせて選ぶ:指摘された内容に応じた専門科を選びましょう。不明な場合はかかりつけ医に相談するのも良いでしょう。
  2. 小児に慣れた医療機関:特に小さなお子さんの場合は、小児に慣れた医師がいる医療機関を選ぶと安心です。
  3. アクセスの良さ:定期的な通院が必要になる可能性もあるため、通いやすい場所を選びましょう。

受診時に準備するもの

  1. 学校からの通知書:「健康診断結果のお知らせ」など、指摘事項が記載された書類を持参しましょう。
  2. 健康保険証:必ず持参しましょう。
  3. 母子手帳:特に小学生低学年までは、過去の成長記録や予防接種歴を確認するために役立ちます。
  4. 普段服用している薬:ある場合は持参するか、薬の名前を控えておきましょう。
  5. 質問したいことのメモ:受診時に聞きたいことを事前にまとめておくと良いでしょう。

医師との効果的なコミュニケーション

  1. 症状や気になる点を具体的に伝える:いつから、どのような状態か、日常生活への影響などを具体的に説明しましょう。
  2. 学校生活での様子も伝える:運動時や授業中の様子など、学校での生活に関する情報も医師の判断材料になります。
  3. 遠慮なく質問する:不明点や心配なことは、その場で質問しましょう。
  4. 説明内容をメモする:診断内容や注意点、次回の受診時期などをメモしておくと忘れません。

学校との連携

受診結果の報告方法

受診結果は学校に報告する必要があります。多くの場合、医療機関で「受診結果報告書」などの書類に記入してもらい、それを学校に提出します。記入してもらえない場合は、診断内容や指示事項をメモし、保護者が学校に報告しましょう。

学校生活での配慮が必要な場合

診断結果によっては、学校生活での配慮が必要になることがあります。例えば、運動制限や給食での対応、教室での座席位置など、必要な配慮について学校と相談しましょう。

養護教諭との連携

学校の養護教諭(保健室の先生)は、お子さんの健康管理をサポートする重要な存在です。継続的なケアが必要な場合は、養護教諭とも情報を共有し、連携して対応しましょう。

まとめ

学校検診での指摘は、お子さんの健康上の課題を早期に発見できる貴重な機会です。指摘を受けた場合は、以下のポイントを心がけましょう:

  1. 速やかに適切な医療機関を受診する
  2. 医師の指示に従って必要な治療や経過観察を行う
  3. 学校と情報を共有し、必要な配慮を相談する
  4. 家庭での生活習慣の見直しも行う

健康は学習や成長の基盤となるものです。学校検診の結果を大切にし、お子さんの健やかな成長を支えていきましょう。検診での指摘は「問題がある」というネガティブなメッセージではなく、「早めに対応できるチャンス」と前向きに捉えることが大切です。

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